プロジェクト概要
2019年9月23日、ナイロビの貧困地区で生徒数800人の小学校が倒壊、7名の生徒が死亡、60名以上が負傷するという痛ましい事故が起きました。
これに伴い、ケニア政府はケニア全土の学校に調査を派遣し、建設状態の不十分な学校は閉鎖となりました。
キベラスラムでも、プライマリースクール(日本の小学校1年~中学2年まで)とセカンダリースクール(日本の中学3年~高校3年まで)が次々と閉鎖されました。(50校は閉鎖されたのではないかという噂です)
マゴソスクールにも9月のうちに調査が入り、不十分な箇所をいくつも指摘され、3カ月以内に改装しなければ閉鎖するという通達が正式に教育省から文書で届きました。
もともと月々の必要経費も足りない状態で、毎月、あの手この手で何とかして資金をかき集めて学校を続けてきました。
何とかしてこの改装工事費用を集めて、新学期に間に合わせるよう工事を進めていきたいと思います。
校舎の修繕が必要になった経緯
2019年9月23日、ナイロビの貧困地区で生徒数800人の小学校が倒壊、7名の生徒が死亡、60名以上が負傷するという痛ましい事故が起きました。
これに伴い、ケニア政府はケニア全土の学校に調査を派遣し、建設状態の不十分な学校は閉鎖となりました。
マゴソスクールにも9月のうちに調査が入り、不十分な箇所をいくつも指摘され、3カ月以内に改装しなければ閉鎖するという通達が正式に教育省から文書で届きました。
キベラスラムの学校の背景
キベラスラム内の数多くの学校は、スラム周辺の公立小学校に行くことができない貧困家庭の子どもたちが通っており、スラム住民たちが粗末な長屋で始めた教室に教育を求める子どもたちが次々と集まり、大変な密集度になってしまった学校ばかりです。
※キベラスラムにあるElite Visionary Secondary School
そもそもがお金のない家庭しかなく、学校の設備を整える資金もないまま、子どもたちに教育の場を提供し続けてきた貧しい学校が、キベラスラムにはとてもたくさんあります。
それらの学校が閉鎖されてしまうと、キベラスラムの子どもたちは学校に行けなくなってしまいます。
マゴソスクールの現状
調査と同時に即刻閉鎖の学校が多かった中、マゴソスクールの場合は、KCPE受験(8年生卒業時の全国統一試験)までは閉鎖されず、無事受験を終えることが出来ました。
キベラスラムで閉鎖されたその他の数多くの学校も、とても多くの生徒を抱えており、閉鎖するたびに生徒たちは「マゴソスクールに行きなさい」と職員に言われたそうです。
そのために、救いを求める多くの生徒たちがマゴソスクールにつめかけました。(小学生だけではなく、セカンダリーの生徒もやってきたそうです。)
しかし、マゴソスクールもすでにオーバーキャパシティで、これ以上の生徒を受け入れることが難しく、助けを求めてきた生徒たちを断らざるを得ませんでした。
修理を指摘された箇所
●古い校舎、2階の教室の壁面の修理と補強
●古い校舎、1階の倉庫の壁面と床の修復
●古い校舎、現存している階段の拡張
●井戸の上の教室の床と壁、廊下の修理と補強
●緊急時に一つの階段だけでは足りないとのことで、もう一つあらたに階段を作る要請
●外壁の土台の補強
●新しい校舎の8年生と7年生の教室の表側に窓を追加する
(裏側には窓があるが、表のドア側に窓がない。教師不在時の生徒たちの確認と、通気のため。窓を作るためにブロック壁を全面取り壊しして作り直す)
●6トイレ分のドアと屋根の取り換え
●生徒数に対してトイレの数が足りないとのことで、新しいトイレの建設
課題
この中で最大の難関は、もう一つ階段をつけなければならないと言われたことです。
※古い校舎にある一つしかない階段
マゴソスクールのスペースと構造では、もう一つ階段を付け足すことが非常に困難です。
しかし、万が一火事が起きた時に、1つしかない狭い階段に2階の生徒たちがすべて押し寄せて危ない。とのことでした。
これらはすべては理にかなっている内容でしたので早急に工事を進めたいと思います。
様々な指摘をされたけれども、調査に来た人々がマゴソスクールを見てとても驚き、感心してくれたそうです。
キベラスラムでこれだけ状態の良い校舎の学校は他になく、とても良くできているとほめられもしたようです。
必要な予算
現在得た見積もりは、約100万円。階段の作り方が難しいということで、まだ最終的な費用がわかりませんが、100万円の建設費用をこれから集めていきたいと思います。
緊急ハランベー(カンパ)にご協力いただけると大変ありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
もともと月々の必要経費も足りない状態で、毎月、あの手この手で何とかして資金をかき集めて学校を続けてきましたので、これはマゴソスクールにとってまったく予定していなかった大出費です。
何とかしてこの改装工事費用を集めて、新学期に間に合わせるよう工事を進めていきたいと思います。
来年1月7日の新学期から、学校を再開できるように、大急ぎで工事を進めて新学期までに完了させたいと思います。
早川千晶さんよりメッセージ
ケニアの貧困層の暮らしはますます苦しくなっているように思います。どうしようもない根深い貧困状況が、スラムでも、農村でも、悪化しています。
それに追い打ちをかけるような出来事が次々と起こります。
今年の5月にケニア政府がケニア全土の児童養護施設を閉鎖するとアナウンスしました。その後、各地の児童養護施設は閉鎖されていっています。
政府の主張としては、施設で育つ子どもたちは健康な育成が妨げられる。子どもたちは家庭で育つべき。ということで、ケニア全土に45,000人もいるという児童養護施設の子どもたちを、家庭に帰す、もしくは、里親にゆだねる、との方針です。
しかし、政府には見えていないのではないかと思われる現実は、その子どもたちの実家では、どうしようもない貧困、暴力、レイプ、飢餓があり、それが子どもたちにとって健康な生育環境であるわけがありません。帰る場所などない、帰れる状況にない子どもたちがほとんどであろうと思います。
マゴソスクールで暮らす子どもたちも数多くいますが、児童養護施設ではなく、レスキューセンターという登録になっており、そもそもがリリアンが救済し自分の子どもとして養育するところから始まっており、人数が増えた今もそのスタイルは変わっていないため、閉鎖の通達はまだ来ていませんが、今後も順調に運営していけることを祈るばかりです。
マゴソファミリーの子どもたちは、生まれ故郷に帰れと言われても、そんな場所もなく頼る家族もない子どもたちばかりです。
そんな不安の中、マゴソスクールの8年生48名とジュンバ・ラ・ワトト(子どもの家)の8年生8名は、受験をがんばりました。最高得点は382点。とても良い成績をおさめました。
私の長年の友人で、何年も前に病気で亡くなった糸つむぎのエリックの長女が、女子1位、全体の2位となりました。
辛いこと悲しいこと、生活の苦しさも乗り越えながら、前に進んでいこうとする子どもたちの頑張りがすごいです。そこから生まれる希望があります。
私が来日ツアーで2カ月弱留守にしている間にも強制撤去は進行しており、学び舎を無くした子どもたち、住まいを無くした子たちが増えています。
周辺で何が起きているとしても平常心で、とにかく今必要なことを一つ一つ落ち着いて対応し、最も大切なことは何なのかというところを守り続けていきたいです。
子どもたちには不安を感じさせたくない、マゴソスクールは閉鎖しない、マゴソスクールは続けていく、みんなの拠り所になる場所は決して無くならないと、安心感を与え続けていきたいです。
そんなわけで、12月8日のファッションショーでは、改装工事真っ最中の混乱した状態の中でのパーティになるかもしれませんが、このピンチをみんなで乗り越えていきたいです。
皆さん今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
2019年11月26日
早川千晶
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2019/12/3
すでに工事が始まっています!最新の工事の様子です。
新しい校舎の8年生と7年生の教室の表側に窓をつけなければならないということで、壁を切り取りました
古い校舎の1階の倉庫の壁面の土壁だったところをブロック壁に変えました。
屋根の修復と雨どいの付け替えをしています -
2020/1/4
階段が完成しました
新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
階段が無事、完成しました。一番難関の工事が無事終了し一安心です。教室の工事は引き続き継続して行っています。